趣味の範囲でマネタイズ
今日は結構裏で聞かれることの多いマネタイズの話です。
今の日本は超が付くほど貧乏で、加えてとんでもない円安が進んでいることもあり、なんだかんだ「副業」というものに興味を持っている方は多いのではないでしょうか。本当に実行するかしないかは別として、「正直に言うと実は興味がある」という方が大半だと思います。
副業と言っても「株や不動産にオールイン!対戦ありがとうございました!」みたいな大きなものではなくて、ここで取り扱うのは1か月に数千円とか、1万円とか、そういった少額で家計の足しになるような規模のものです。よくこの手を話をすると「それぐらい少額なら、バイトでもした方が…」とマウント取りたいおじさんがシュバって来るのですが、そういう方は仕事とは別に、バイトを始めればいいと思います。それが本当に、できるものならね。
僕が今回取り上げたいのは、あくまでも「自分の趣味の範囲で出来るマネタイズ」です。
マネタイズと言ってしまうと大げさかもしれませんが。たとえ1か月に数千円、額としては少額だったとしても、助かるものは助かります。そしてそれが「趣味の延長線上」にあるのなら、きっと楽しみながらできるはずです。今日はその辺りについて話していこうと思います。
まず前提のお話ですが。
僕は実績として、サイト運営とYouTubeの収益化に成功しました。どちらもジャンルが全く異なりますが、両方を経験したことで双方の良い点/悪い点を把握することができています。当然ですが、「どのジャンルに手を出すか」によって、求められるスキルやアプローチ方法は全く異なってきます。
ここで、趣味から派生させるマネタイズ方法をジャンル分けしました。
①ブログ/Note系
②YouTube
③配信系
④SNS系(InstagramやTwitterなど)
①ブログ/note系
これはイメージしやすいと思います。いわゆる「書き物系」です。。
マネタイズモデルを大きく分けると、「サイトを立ち上げて記事に広告を貼る形」と、「noteなどのサービスで記事を書き、有料記事として買ってもらう形」の2つです。
双方にメリット/デメリットがありますが…、まず取っつきやすいのはどちらかというと、当然noteです。なにせ面倒な準備は要らないし、知識と文章力さえあれば事足ります。スキルさえあれば即マネタイズ可能というスピーディーさが売りです。記事の単価も自分で決められますし、一発がデカいのも魅力。
デメリットとしては、あくまでも一企業のサービスの範疇でしかないこと。運営元であるnote株式会社がサービスを終了した途端に消えてしまいます。
様々な大手のブログサービスが終了したことで、多くの情報が失われてしまったこと、皆さん覚えているはずです。
一方、サイトを立ち上げて記事を書くというのはどうでしょうか。
主なマネタイズ手法は「Googleアドセンスなどの広告を貼る」、または「アフィリエイトを通して報酬を得る」というものです。名が売れてくれば企業からのバナー設置だとか、レビュー依頼だとか、そういう稼ぎ方もあります。(振り返ってみると紙束MTGも広告掲載のご依頼が多かったのですが、あまり縛られたくなかったので全て断っていました。)
サイトの立ち上げというスタイルは、僕が「紙束MTG」で実践していた形になりますが、サイト作成や管理が面倒な分、一国一城の主になれるというのがメリットです。他人・企業の制約や影響を気にせず、自分の好きに動けるというのが最大の評価ポイントだと思います。独自のドメインを持っているだとか、そういう自己満足みたいなものも味わえる楽しさがあります。
ただし、デメリットが2点。
まず1つ目は、前述したように「サイト自体を自分で準備する必要がある」点です。ドメイン取得、レンタルサーバー代…サイトを立ち上げるには初期投資が必須となります。
そして2つ目は、サイトを仮に立ち上げたとしても、「Googleアドセンスの審査に合格する必要がある」点です。この審査に合格しないと広告配信サービスを利用できず、ここで結構つまずいてしまう方が多い印象です。それなりの質が要求されますし、最初は審査が比較的緩めの「アフィリエイトリンク」から始めていく方がハードルは低いかも。
ただし、広告やアフィリエイトを連発しているサイトはヘイトを稼ぎます。
日本では予想以上にアフィリエイトに対する嫌悪感が強いので、あまりにも「お金感」が前面に出すぎてしまうと、一気にそっぽを向かれてしまうので注意です。
それと、稼ぎに特化させると何事もつまらなくなるので、ほどほどにしておいた方が良いです。
余談ですが、僕も飽きました。飽きてしまったのでこんなデザイン特化、マネタイズはガン無視のサイトを別に作ってしまっています。一種の反抗なんですよね。サイトというのはあくまでも有益な情報が先にあって、それを読者に届けられるのが前提です。ここを勘違いしてしまうといつまで経ってもマネタイズは無理です。最近はそういうサイトが非常に多いので、辟易しています。
「書き物系」は極論を言えば文字さえあればよいわけで、取っ付きやすさはトップクラスです。しかし上記どちらのスタイルでいくにせよ、情報の有益さ、そして文章力がモノを言います。僕も偉そうなことは言えないのですが、決して「ただ書けば良い」というわけではありません。面白い文章(funnyにしろinterestingにしろ)を書くのはそれなりのセンスと努力が必要です。
②YouTube
Youtubeでマネタイズする方法は主に3つ。
動画の中で挟まれる広告の再生と、スーパーチャット、メンバーシップなどです(細かいことを言うと他にもありますが)。いくつか手段はあるものの、いずれにせよ収益化を達成するには厳しい条件をクリアしなければなりません。
【収益化条件】
①チャンネル登録者数:1000人以上
②直近1年の総再生時間が4000時間以上
この条件は有名なので、知識として知っている方は多いと思います。僕もここ数か月でクリアしたばかりですが、ネックとなるのはやはり「登録者数1000人」というハードル。ここのハードルは、皆さんが想像している以上に厳しいものです。
普段YouTubeを観たとき、おすすめに表示されるチャンネルの大半が「登録者:万レベル」だと思いますが、こんなのはほんの一握り。
ソースがいまいちわからんのですが(こういうの、公式からデータ出してほしいですよね)、俗説では収益化条件を達成しているのは全チャンネルのうち15%程度だそうです。普段我々が目にしている動画は、少なくとも上位15%、上澄みだけを掬って見ているようなものです。上澄み以外の大半のチャンネル/動画は、ほとんど「人の目に触れないまま沈んでいる」と言っても過言ではありません。1000人未満のチャンネルは、アルゴリズム的にもおすすめ上位に表示されにくくなっています。
とはいえ誰でも最初はゼロからスタートするわけで。友人含め僕の周りを見渡すと、やはり登録者500人未満で停滞し、苦しんでいる方が多いです。
もちろんYouTubeでの動画投稿・配信がひとつの趣味や楽しみとなっていて、マネタイズは無視しているのであれば、まったくそれで構いません。しかしYouTubeでのマネタイズを真剣に考えるのであれば、とにかく戦略を立てて愚直に突き進んでいくしかありません。YouTubeは甘くなく、厳しい言い方になりますが「あわよくば」は基本的にありえないです。成功している方は、それなりの努力をしています。
「今からYouTubeを始めるぜ!」という方がもしいれば、どんなテーマを取り扱うかは必ず熟考してください。
チャンネルが成功するかどうかは、まずここに掛かっています。テーマの選定に一か月程度かけても良いぐらい。それぐらい「じっくり」考えましょう。
ここでひとつ僕の失敗談をお話しします。
僕は当初「紙束MTG」を運営していたこともあって、YouTubeは「マジック主体で行こう」と走らせました。意気揚々とスタートしたのですが、チャンネル登録500人程度で5ヵ月間停滞しました。様々な要因があるのですが、一番大きな理由は「僕が一番得意な分野で勝負していなかった」ということに尽きます。僕はマジックが大好きですが、「好きなものであって、一番得意なことではない」ということに初めて気が付きました。僕が人に自慢できる知識やスキルは、「カメラや写真」というジャンルだったのです。
そこでチャンネルの方針を見直し、カメラや写真のチャンネルに生まれ変わらせました。それまでほとんど見ていなかったアナリティクスも細かく分析するようにし、どういう動画が役に立つのか、観て貰えるのかを研究しながら進めたところ、そこから3か月強で1000人を突破することができました。
繰り返しになりますが、自分がライバルと自信を持って戦えるテーマを見つけましょう。YouTubeでのマネタイズはスタート地点までの道のりが長いので、非常に長い戦いになります。得意分野でないとそもそも競合との差別化ができませんし、無理なくコンテンツを生み出せないとネタ切れも早いです。
それと言うまでも無いですが、YouTubeに参入する以上「動画を創る」という行為が必要になるので、動画編集のスキルが必須になります。
そして、動画編集ソフトは何にするのか、カメラは使うのか、スマホを使うのか、スライドのみで戦うのか…。動画のスタイルにもよりますが、クオリティの高い動画を作るために、ソフトウェアやハードウェア(機材)などの投資が必要になるケースがほとんどです。ゼロからそれなりの装備を整えようとすると、導入コストはそれなりにかかってしまう点は注意です。
もちろん初期コストを抑える手段はいくらでもあるので、その辺りは相談になるかなと思います。
コスト周りの話になったので少し細かい話をしておくと、マネタイズできるまでは動画制作コストを意識しながら作りましょう。
初心者がよく陥りがちなミスなのですが、例えばマジックなどのTCG系の場合、安易に開封系に頼ると失敗します。再生数が一見伸びやすく見えるのですが、あくまで短期的な一時的なものです。短期的な消費のために毎回くじを買って開封するといったスタイルは、後々資金的にしんどくなってくるのでマネタイズ的にはお勧めしません。収入が無いのに続けるためにネタ素材を買っていたら、それって収支マイナスですから。
それとこういう開封系は、「もっとお金をかけた動画の下位互換」でしかありません。
たとえばカードパックを1ボックス開封した動画を出したとしても、大手に10カートン開封した動画を出されたら歯が立たないわけですよ。大事なのは「あなたの動画を観る理由」を常に考えることです。前述しましたがYouTubeに「あわよくば」は無いので、動画の価値をどう高めるか、競合と差別化できる点はないかを常に考え続ける必要があります。
色々と厳しいことも書きましたが、YouTubeは下積み期間が長くなってしまう分、条件さえクリアできれば収入としては結構安定してきます。
長期戦は覚悟する必要がありますが、その分夢もあるので是非チャレンジしてみてください。
長くなってしまいましたね!
もうちょっとスマートにまとめる予定でしたが、長くなってきたので今日はこれくらいにしようと思います。
③と④について書ききれなかったので、また気が向いたら続編を書きたいと思います。ではでは。
追記:というわけで後編も書いてます!