趣味の範囲でマネタイズ:その2
今日は前回のお話の続き、裏で聞かれることの多い趣味の延長線で始める少額マネタイズの話:Part2です。
なんのかんのありまして、結構読んでもらえているようで嬉しいです。Twitterの方にも色々DM頂いてまして、できる限り質問なんかにもお答えしております(全部ではありませんが、比較的容易に返せるものだけ…すみません!)。ある程度予想はしていたのですが、少額マネタイズには興味を持っている方が多かったですね。(こんな景気なのでそりゃあそう)
●前回の記事はこちらから。(まずはこちらから見てね)
というわけで今日は前回の記事で書ききれなかった残りの2つ、「③配信系」と「④SNS系(InstagramやTwitter)」について書いていきます。
「①ブログ/note系」「②YouTube」に関しては前回の記事で詳しく解説しているので、是非そちらをご覧くださいませ。
③配信系
「配信系」はライブストリーミング配信プラットフォームを用います。ジャンルによってはYouTubeと似てくる部分もあるのですが、ここでは別物として取り扱います。
最も市場の大きい配信サービス:「Twitch」を例にすると、マネタイズモデルは大きく分けて3つ。「①ビッツ(投げ銭)」「②サブスク加入(月額制ファンクラブ的なもの)」「③広告収益」といった形です。当然ながらTwitchも収益化の条件がありますが、YouTubeと比較するとそのハードルが低いのが特徴といえます。
Twitchの収益化条件はスタンダードな「Twitchアフィリエイト」、そしてハイレベルな「Twitchパートナー」の合計2種類が存在しますが、前者:「Twitchアフィリエイト」であれば条件達成は比較的容易です。
【収益化条件】
YouTubeと比較して、明らかにハードルが低いのがわかるはずです。また、ビッツ(投げ銭)やサブスク加入による配信者への還元率が高いことでも有名で、マネタイズ体制が整えば大きな収入源となります。
こうして見ると「YouTubeよりもTwitchの方が圧倒的に簡単じゃないか」と思ってしまいますが…。
あくまでもTwitchなどのサービスは「ライブストリーミング配信」です。基本的なことではありますが、その名の通り「ライブ配信のスキル」が必要になってきます(当然ですが)。プラットフォームの性質上YouTubeと異なる点は、「より演者としてのキャラクターが強く求められる点」です。自分をブランディングして売り込むことが重要で、声・容姿・トークスキル・プレイスキル…いかに「自分というキャラクター」にファンを付けられるかが課題となります。これは正直に言って、性格面での得意/不得意があるはず。
それと、そもそも取り扱っているテーマがライブ配信に適しているかも重要なポイント。やはりゲーム系は強いですが、自分がやりたいジャンルがマッチしているのか、一度俯瞰して見ておくことをお勧めします。
総評としては、収益化の達成条件が非常に緩いので「ライブ配信スキルを持っているなら」参入の価値ありです。
ただ、個人的な話をすると僕は配信系というジャンルにあまり向いていませんでした。入念な準備をした上でHow to系の解説を行うのが性に合っていたので、コツコツと自分のペースで進めていけるYouTubeの方を選択しました。
④SNS系
区分で言えばYouTubeもSNSなのですが、ここでは主に「Twitter」と「Instagram」の2つを取り扱います。
結論から言うとこの2つは、マネタイズの土台には向いていません。たとえばTwitterで収益化しようと考えたとき、Twitter内で完結するマネタイズ手法は「投げ銭(Tips)」や「スーパーフォロー」のみ。実際これのみで稼げている人は本当に少なく、大半は企業案件を受けたり、アフィリエイト、noteを売る…というように何らかの外部サービスと連携することで収益に繋げています。
率直に言ってしまえばこれだけで稼ぐには全く向きません。いきなり収益の柱とするには厳しいため、他の手段と繋ぐ「ハブ的な運用」がメインになるかなと考えます。他のサービスや手法に誘導する入り口となるので、基本併用して使っていくと良いです。
たとえば、ゼロから全くのコネクション無しにnoteを書いても人を呼び込むのは厳しいと思います。
しかし、Twitterのフォロワーを数千人集めてから宣伝→集客すれば、自分のファンを一気に流入させることができます(もちろんコンテンツが魅力的であることが大前提!)。YouTubeも同じで、うまくいけば初動でチャンネル登録者数数百人といったことも夢ではありません。規模が全く違いますが、実際多くの芸能人がこの手法を使ってYouTubeに参入してきましたよね。
上記の理由から、今いきなり始めるエネルギーはないけれど、「いつかマネタイズしたいな…」とぼんやり考えている方は、来たるべきに備えてSNSのフォロワー数を増やしておくのは一つの手段だと思います。フォロワーの増やし方のポイントとして、各SNSごとにアルゴリズムがあるのでそれに上手くそれに乗せていくと伸びていきます。
ちなみにですが、「メインコンテンツが別媒体で存在していて、その宣伝のみの運用となってしまっているアカウント」は典型的な失敗例です。たとえばYouTubeのチャンネルを別に持っていて、動画を投稿したときだけ宣伝する…みたいなアカウントは伸びません。理由は簡単。単に動画を観たいなら、YouTubeだけチャンネル登録しておけば事足りるからです。双方をフォローさせるにはどうすればいいか?わざわざ双方をフォローするメリットは?
ハブ的な役割を持たせるために、この辺りを考えていくとヒントが見えてくると思います。
また、前述しましたがハブ的な運用をするにしても「メインコンテンツが魅力的であることが大前提」です。
たとえばTwitterのフォロワー数が2000人を超えていて、数年かけて取り組んでいるYouTubeの登録者数は数百人程度…と伸び悩んでいる方も多いと思います。YouTubeの登録者数が増えない理由は単純で、多くの場合は「メインコンテンツが魅力的でないから」です。そして、伸び悩む大半の方が「自分のメインコンテンツが面白いと思っている」。
きっとこの文章を読んでも「俺のコンテンツは面白いからこれには当てはまらないぜ!他のところに原因が…」と考えている方が大半だと思いますが、現実を直視してください。じゃあなぜ結果が付いてこないのでしょうか?見ないふりをしているだけで、もう答えは出ていると思います。厳しい言い方になりますが、意地やプライドを捨てて、客観的にデータに向き合える人の方が向いています。本気でやろうと思うならば、数字(結果)だけが全てです。
ちなみに、Twitterのフォロワー数を増やす「だけ」なら正直言って簡単です。しかしいくらフォロワー数が多くとも、メインウェポンが強力でないと、そちらに流入させる力は弱くなります。たとえばYouTubeにしても「お付き合い程度の登録」で終わってしまうので、基本に立ち返ることが大切です。当然それぞれが「面白い」と思ってコンテンツを作っているはずで、それを客観的に分析するのは非常に(精神的に)辛いのですが、頑張っていきましょう。データに基づいたトライandエラーの先に、結果が必ずついてくるので。
【余談】
僕はTwitterのフォロワーが3000人を超えた状態でマジックを取り扱うYouTubeチャンネルを立ち上げましたが、チャンネル登録者数はそんなに増えませんでした。フォロワーの大半がTCG界隈の方で、リーチ先としてはこの上ない好条件だったのにも関わらず、です。
理由は簡単、僕が出した動画の大半が魅力的では無かったからです!加えてデータもなにも分析していない激甘ちゃんでした。「コンテンツが魅力的でないと、数千人のフォロワーがいたって何の意味もない」ということを体を張って立証しただけでした。…なんか自分で書いててめちゃくちゃ精神的に来ますねこれ。
おわりに
今回前編・後編に渡って趣味の延長性でどうマネタイズしていくかについてお話ししました。
色々と厳しいことも書きましたが、サイト運営、SNS運営、YouTube運営と3つそれぞれをたった一人でやってきたので、自分の失敗も踏まえ正直に書いたつもりです。マジック界隈でこの3つをそれなりにしっかりやった人間というのは数が少ないので、自分でも貴重なデータが取れたと思います。僕はかなり遠回りしてしまったので、少しでも近道を通れるように、この文章が役立てば嬉しいです。
ここまで読むと「少額マネタイズは結構難しそう」と委縮してしまった方も多いと思うのですが…。
誤解が無いようにここでしっかりとお伝えしておきたいのは、「趣味の延長線上での少額マネタイズは十分可能」だということです。
現状様々な選択肢が増えているので、自分の得意なスキルを活かせる土俵をしっかりと吟味して選択すれば、誰でも、今からでも達成できます。ただしマネタイズするとなると、趣味の範疇とは言えどそれなりに戦略を立て、都度分析し、長期スパンで戦っていく覚悟と努力が必要です。「あわよくばマネタイズ」なんて甘い話はないので、「自分が一番強い分野で、ロジックに基づいて戦っていく」ことが重要です。(考え方としてはビジネスと同じです。)
道のりは長いのですが、なんにせよ本業とは異なるところからお金を引っ張ってくる活動は結構楽しいものです。
色々勉強になるところもあるので、興味がある方は是非チャレンジしてみてください。ではでは!